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結核の状況

平成23年度の結核の現状について、次のとおりとなります。

1.全国の結核の状況

全国におけるこの数年の結核の疫学的指標(表1)では、平成23年の結核罹患率(人口10万対)は、17.7と引き続き低下傾向にありますが、いまだ22,000人以上の患者が新たに発生し、また2,000人以上が亡くなっています。

表1 結核の疫学的指標[全国]
集計年/
項目
平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年
死亡者数(人) 2,188 2,216 2,155 2,126 2,166
死亡率 (10万対)  1.7 1.8 1.7 1.7 1.7
新登録患者数(人) 25,311 24,760 24,170 23,261 22,681
罹患率(10万対) 19.8 19.4 19.0 18.2 17.7
年末活動性
結核患者数(人)
20,637 20,021 18,915 17,972 17,264
有病率(10万対) 16.2 15.7 14.8 14.0 13.5

2.千葉県の結核

千葉県における結核罹患率(表2)は、20年の18.0から21年の18.1のように上昇していますが、22年は17.3、23年は16.5と低下傾向にあります。
都道府県別の全国順位では低い方から26番目と22年よりは良くなりました。
また、84人が亡くなり、死亡率(人口10万対)は1.4と減少し、全国順位でも低い方から11番目で、22年の22番目と比較し大幅に順位を上げました。

表2 結核の疫学的指標[千葉県]      括弧内の数値は、都道府県別の全国順位
集計年/
項目
平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年
死亡者数(人) 96   94   77   87   84  
死亡率 (10万対)  1.6 (28) 1.6 (22) 1.3 (13) 1.5 (22) 1.4 (11)
新登録患者数(人) 1,147   1,099   1,109   1,074   1028  
罹患率(10万対) 18.8 (30) 18.0 (28) 18.1 (29) 17.3 (29) 16.5 (26)
年末活動性
結核患者数(人)
880   872   622   752   717  
有病率(10万対) 14.4   14.2   12.0   12.1   11.5  

備考:データは公益財団法人結核予防会「結核の統計」より

3.財団の胸部エックス線集団検診成績

財団における23年度の受診者数(読影実施数として)は、153,948人で22年度より約2,800人減少しています。この内訳は財団の受診者数が約2,500人、他機関からの読影実施数が約300人、22年度より減っています。これは20年度より老人保健法が廃止され、基本健康診査から特定健康診査となり、従来は基本健康診査と同日に胸部エックス線撮影が多く実施されていましたが、別々に実施され、受診率が減少したことが最も考えられます。制度が変わり4年目となりますが受診率は引き続き減少したままです。

財団の15年度から23年度の住民における計9年間の平均要医療率(人口10万対)は5.0(表3)で、65歳以上では8.1(18から23年度)です。また23年度の要医療者9人は全員65歳以上で、少なくとも65歳以上の者には受診率を上げて検診を実施していくことが重要となります。

表3 胸部エックス線集団検診成績
年度
(平成)
受診者数(人) 精密検査結果
結核要医療者数(人) 要医療率
(10万対)
15年度 239,817 10 4.2
16年度 218,545 11 5.0
17年度 194,496 9 4.6
18年度 178,140 6 3.4
19年度 170,386 7 4.1
20年度 149,385 9 6.0
21年度 150,815 16 10.6
22年度 153.948 4 2.6
23年度 153,948 9 5.8
合計 1,612,309 81 5.0

4.高齢者65歳以上の結核の割合

近年の結核罹患率の減少速度は鈍化傾向にあり、年齢階層では高齢者の中でもより高年齢層で減少速度の鈍化傾向が強くなっているといわれています。
全体の新登録結核患者の中で65歳以上の高齢者が占める割合は増加傾向が続いており、2011年では60%以上になっています(図1)。 

 図1 新登録結核患者に占める高齢者結核の割合の年次推移 1987~2011年

出典:「結核の統計2012」より

また、都道府県・政令指定都市・東京23区の合計別に65歳以上の高齢結核患者割合を大きい順に並べると(表4)、最も高かった地域は、熊本県(78.42%)、次いで長崎県(78.11%)でした。
一方、低かった地域は、相模原市(39.23%)、次いで川崎市(43.18%)で、4番目に千葉市(44.44%)、6番目に千葉県(46.79%)でした。首都圏など大都市圏では高齢結核患者割合は低い傾向にあり、千葉県も例外ではありません。
「健康ちば21・高齢化の現状と課題」によりますと、平成17年の高齢化率は、全国20.2%に比べ千葉県17.2%(全国43位)であり、この当時では他県に比べ若いといえます。
しかし、その後の10年は全国2位のスピードで高齢化が進むと予測されており、平成27年には65歳以上人口は平成17年に比べ約50%の急増を示し、千葉県民の4人に1人になるといわれています。
今後は、千葉県でも高齢者結核の割合が増え、その対策がより重要になってくると考えられます。

表4 新登録結核患者中65歳以上割合 
   都道府県・政令指定都市・東京23区別