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Vol.88 今日一日に全力を尽くす

タイトル:理事長室へようこそ

 医学部の学生に向かって、「諸君達一人ひとりは、この豪華客船よりもはるかにすばらしい有機体であり、ずっと長い航海をするはずです。この航海を安全確実なものとするために、『一日の枠の中で』生きることによって、自分自身を調節することを学べということです。ブリッジに立って、少なくとも大きな防水壁が作動している状態を確認していただきたい。—————————————。
過去と縁を切ることです。息絶えた過去など、死者の手にゆだねましょう—-愚か者たちを不名誉な死へと導いた昨日など締め出すべきです—–昨日の重荷に加えて、明日の重荷まで今日のうちに背負うとしたら、どんな強い人でもつまずいてしまうでしょう。過去と同様、未来もきっぱりと締め出せ—–未来とは今日のことです—–明日など存在しないのです—–人間救済の日は、今日をおいてありません。精力減退、心痛、神経衰弱は未来のことを気づかう人に歩調を合わせながら、ついてまわります—-そこで、前と後ろの大防水壁をピタリと閉ざして、『今日一日の枠の中で生きる』習慣を身につけるよう心がけるべきでしょう。」と臨床医学者でジョンズ・ホプキンス病院創始者の一人のウイリアム・オスラーが語りかけた言葉です。100年以上前の話です。

 私はこのことについて直接にも間接にも講演等で聞いたことはなく、書物で読んだだけですが、数十年前のまだ少し若かったときに読んだのと同じように、今読んでも心動かされるのは何故なのか? それはこの言葉の中に普遍的な人生の処世訓が含まれているからだと考えています。いくら過去に未練をもって恨んでみても過ぎ去った過去の事実を変えることは出来ないし、またどんなに明日に夢を託しても当に夢でしかなく、何かを考えて行動するのは今日の今しかないということをわかりやすく諭すように語りかけています。 

 過去、現在、未来と時間は永劫の時を刻んでおり、過去と未来も現在という一秒一秒の時の継続の線上にありますが、全ては「今日一日の枠の中で生きる」ことに全力を尽くし、過去や未来はこれまでの反省やこれからの希望のために使うべきであるといっているようです。どんなに毎日の仕事が単純で同じように見える日常の継続の中で、愚直にひとつでも創意工夫を加えながら今日一日に全力を尽くし、そして今日という一日の終わりには振り返り反省し、これを毎日継続していくことも大切ではないかと考えています。

平成26年12月12日
公益財団法人ちば県民保健予防財団
理事長 藤澤武彦

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