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Vol.87 “おもてなし”のために今何をなすべきか?

タイトル:理事長室へようこそ

 2020年夏季オリンピックが東京に決定されたが、投票直前に行われたプレゼンテーションの全てが簡潔で説得力が在り、感動的であったことによることは明白だ。プレゼンテーションの中で最もインパクトの強いものの一つに「おもてなし」であったことは日本の誰でもが納得することだろう。日本には「おもてなし」のココロがあり、それがIOC委員の投票行動にも影響したことは確かであると思う。しかし、これから6年という短期間の間に、どのような行動で外国からの来訪者にそのココロを伝えていくかは、いまだ具体的な議論は行われていないように思う。早急に日本国民が考えていかなければものであることを、あることから知った。

 4月中旬、京都で国際会議が開催され数百名の外国人が参加した。ソメイヨシノは散っていたがしだれ桜は満開で、外国人は大変な喜びようであった。インドの友人7人も参加し、会議後広島の平和公園と原爆資料記念館を見学するために新幹線で広島に向かった。同行はしなかったがスケジュールは把握していたので、そろそろ予約したホテルに着いたころかなと思っていたらケイタイが鳴った。タクシーの乗り場と乗り方が分からないとのことだった。案内表示が分かりにくいのと、英語を分かる人がいないとのことだった。ケイタイをタクシーの運転手に渡してもらって話をつめた。なんとかホテルまでたどり着いたとの連絡がきてホッとした。

 外国からのお客様の声として東京でも案内等の英語標記が少なく、“外国の人に優しくない”ということを聞いたことがある。ましてや広島ではなおさらなのだろうか。東京オリンピックでは「おもてなし」のココロで外国の方を迎えなければならないが、先ずタクシー、駅、市内案内等では英語の説明書きを更に見やすくするとともに、少なくとも英語の話せる人を早急に育てていかなければならないのではないか。「おもてなし」のココロは、先ずはコミュニケーション・ツールとしての言葉が通じなかったら、そのココロは十分に伝わらず、無駄になってしまうかもしれない。また千葉で日本料理店に招待し夕食を共にしたが、メニューが筆のお品書きではどんなに達筆でもココロは通じないのではないか。英語版も準備しておく必要があるのではないかと思った。更に宗教的な理由から口にできないものもあり、それらをはっきり書いておくことも大切な「おもてなし」のココロではないか。当然、オリンピック開催時はボランティアによる多くの国の言語に対する準備は行われるのであろうが、オリンピックの時だけで済むものではない。観光立国も国の大きな施策の1つでもあり、今から準備しなければならないのではないか。あと6年しかない東京オリンピックまで、日本全体で取り組むべき課題であることをインドの友人が教えてくれた。

平成26年5月16日
公益財団法人ちば県民保健予防財団
理事長 藤澤武彦

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