これまでに、「禁煙にトライしたが挫折した」という方もたくさんいらっしゃると思います。ニコチンは刺激・習慣性の強い薬物の一種なので禁煙を始めても離脱症状のつらさから 、ついタバコに手を伸ばしてしまう人も多いようです。一回で禁煙に成功する人はほとんどいません。諦めずに何度も挑戦する──それが一番の成功の秘訣 のようです。

禁煙前の心構え─つまづくポイントは二つ
 
@禁煙にふみきれない
 まずは禁煙の動機を確認しましょう。健康に悪いから?家族や周囲の人に迷惑をかけたくないから?赤ちゃんが生まれるから?タバコ代を切りつめたいから?…せっかく思い立ったのです。その動機を大切にしましょう。また、自分の誕生日や子どもが生まれるなど特別な日をきっかけにすると開始しやすいかも知れません。離脱症状を恐れるならニコチン代替療法を併用するという手もあります。
 また、ここで注意したいのは、スタート時の目標は、欲張らないということ。まずは1週間の禁煙。それができたら1ヶ月、1ヶ月ができたら2ヶ月…という感じで段階的に目標を設定していきましょう。気負いすぎても長続きしません。なるべくゆったりした気持で、禁煙を楽しむつもりで続けてください。

 A再喫煙
 禁煙の失敗で最も多いのは、「1本だけなら大丈夫」という誘惑。もちろん、吸わないにこしたことはありませんが、途中で魔がさしてしまった人も落ち込まず、また禁煙を続けましょう
 また何度、禁煙を試みても失敗してしまう…という人は、開始時期に工夫が必要です。禁煙はそれだけでイライラが募りやすいもの。その上仕事が忙しかったり、気がかりなことがあると、長続きするものもできません。時間的 、心理的に余裕があるときに禁煙を開始しましょう。

それではいざ、禁煙にトライ!


禁煙法は一つにこだわらない
 個人での挑戦から、医師による禁煙指導、集団的に実践する「タバコを5日でやめる講習会」といった行動科学的な方法に基づくプログラム、ニコチン代替療法など、禁煙の方法には様々あります。
 一つの方法にこだわるのではなく、いくつかの方法を組合わせるのも選択肢の一つです。
タバコをやめる前の晩にしておくこと
・タバコと灰皿を見えないところへ片づける
・冷蔵庫に冷たい氷水(冬は熱いお茶)を用意する
・枕元、洗面台、食卓、テレビの上などに、禁煙の張り紙をする
・周囲に禁煙を宣言する

ニコチン離脱症状を乗り切るポイント
 
挫折の原因はなんといっても離脱症状のつらさ。そこで諦めるのではなくちょっとした工夫で切り抜けるようにしましょう。

・冷たい水、熱いお茶を少しずつ飲む
  熱いお茶か冷たい氷水を用意する。禁煙をはじめてから3日間は、 少しずつ、口を潤すようにのみ続ける。これは結構効きます。

・深呼吸する
 イライラするときは深呼吸する。脳に酸素を送り、気分転換になる。

・体を動かす
 体操、掃除、ウォーキングなど、体を動かす。 、囲碁、将棋など考え込むゲームは、 タバコを誘うので、 控えた方がよい。

・場所を変える
 吸いたくなったら、場所を移動してみる。 特に食卓は食後すぐに離れよう。いつまでも座っていると食後の一服が欲しくなる。

・口寂しさは別のもので代用しよう
 歯磨き、ノンカロリーガムを噛むなど、工夫する。

・野菜、果物を多く摂る
 野菜はイライラを抑える効果がある。 また果物は満腹感によるタバコ欲求を抑え、不足しているビタミンを補うことができる。

・酒席は避ける
 再喫煙に陥りやすいのが、お酒の席。アルコールは自制心を弱める。 禁煙を始めたら当分、家の外で飲まないようにしよう。

・スモーカーには近づかない
 喫煙者の隣、喫煙コーナー、パチンコ店など煙の多い場所…誘惑には近づかないに限る。

・強迫観念に囚われない
 人間、“吸ってはいけない”と思うほど吸いたくなるもの。それよりも 「あと1分、吸うのを待ってみよう」と言い聞かせてみる。 “どこまで記録を伸ばせるか”楽しむ気楽さも大事。

 ●禁煙指導


 禁煙指導には個人的な方法と集団的な方法があります。個人的な方法としては、医療機関で医師が患者に禁煙指導する方法が重視されています。「スモークバスターズ」などそのための教材も開発されており、最近ではニコチン代替療法(ニコチンガム)も承認され、薬局でも求められるようになりました。

 集団的な方法としては、「タバコを5日でやめる講習会」のような行動科学的な方法に基づくプログラムがあり、保健所などの公衆衛生の現場で類似した方法で禁煙指導を行うことも試みられています。

 ニコチン代替療法

 ニコチン置換療法とは、喫煙習慣をニコチン依存ととらえ、ニコチン依存を段階的に改善しながら、禁煙に導く補助的な療法。ニコチンを喫煙以外の摂取法で置き換え、離脱症状を軽減しながら、その後、置換されたニコチン摂取量を徐々に減らし、最終的にニコチンの摂取量をゼロにすることで、喫煙者を無理なく禁煙へ導く方法です。補助剤としてニコチンガムやニコチンパッチなどがあり、日本ではニコチンを口腔粘膜から吸収させるニコチンガム(商品名:ニコレット)が1994(平成6)年、輸入承認され、現在では薬局でも購入することができるようになりました。ただし、これには、禁煙時のイライラ・集中困難などの症状を緩和するものであっても、タバコをきらいにさせる作用があるわけではありません。
 つまり、禁煙はあくまで本人の意志によって達成されるものであって、ニコチン置換療法はそれを助ける「禁煙補助剤」にすぎません。禁煙を成功させるにはやはり、禁煙したい気持ちと十分な動機が不可欠なのです。

 ニコチン代替療法については→岩井直路先生の「禁煙サポートの実際」をご覧下さい!

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